Interview


2001年に独立し、体感型のアロマセラピーを講師として、セラピストとして、伝え続けてきた小林ケイさん。そんな小林さんが、2017年に「一般社団法人エッセンスオブヒール」を協会として立ち上げた理由とは?

その経緯から、活動内容、今後の展望などについてうかがいました。

 

 

 

 

ゆっくり、のんびり、自然に

出来上がった「協会」というカタチ

 

 

――一般社団法人エッセンスオブヒールを協会として立ち上げた経緯から教えてください。

 

2001年からアロマスクール(現:Kei.K Aroma Studio)を始めましたが、当時の生徒さんが新たな学びのためにコースを受講してくださったり、以前学んだコースを再受講してくださったり。みなさん、自分と深く向き合う必要がある時期になると、戻ってきてくれるということが繰り返しありました。

もともと、スクールではアロマの香りを介して自分自身と向き合うことを大切にしてきましたが、こうした経験から「自分自身と向き合い、本来の自分に戻るためのアロマ」というものを伝えていく必要性を強く感じるようになっていったのです。

 

 

協会という組織づくりを意識し始めたのは、2016年に書籍『人生を変える!! 奇跡のアロマ教室』(BABジャパン 出版発行)を上梓し、同時期に【Awakening Aromatherapy Course】(以下、Awakening)をスタートさせたあたりからでした。

このコースは、香りを通じて自分と向き合うことを重視しているのですが、受講生さんから「卒業後も、こんな風に自分と向き合い続ける場所がほしい」というリクエストをたくさんいただきました。それにお応えする形で、月1回定期的な勉強会を設けるようになったのです。

 

 

この勉強会の名前をどうしようかと考えたとき、初めて「協会という形にしてもいいのかな」という思いが湧いてきました。ただ、そこからすぐ協会を作ろうと動き始めたわけではなくて……「まずは、自主的にみんなで学び続ける場所を作っていこう」と。ただ、Essence of Healという名前だけはフッと湧いてきたので、その名前で勉強会を続けてきました。

 

 

【Awakening】の次に、セラピーの本質やセラピストとしての生き方について学ぶ【Holistic Aromatherapist Course】(以下、Holistic)があるのですが、今度はその卒業生さんたちから「Essence of Heal認定アロマセラピストというように、肩書を使って社会的に活動をしていきたい」というリクエストがありました。

正直、最初はそういう肩書はいらないのでは……?と思っていましたが、「きちんとした肩書があったほうが自分たちも安心だし、活動の幅が広がる」というお声をいただき、2017年に一般社団法人エッセンスオブヒールを立ち上げたのです。

 

 

たぶん、私自身がのんびり屋なんだと思います(笑)。一つずつ段階を踏んで、生徒さんたちと気持ちを確認し合いながら、とても自然な流れで「協会」という組織が出来上がった気がしています。

 

 

 

 

 

香りを介して自分と向き合う

体感型アロマセラピーの普及を目指して

 

 

――こちらの協会では、どのようなアロマセラピーを伝えているのでしょうか。

 

大きく分けて、次の4つの側面があります。

①体験からの学びを大切にする

レッスンは「セラピーの場」でもあります。多くのエッセンシャルオイルに触れ、自由に香りを楽しみ、アロマセラピーの効果をご自身で体感されることを大切にしています。

 

 

②エッセンシャルオイルをホリスティックな視点から理解する

薬理作用だけでなく、陰陽五行説、チャクラ理論など古代医学からの思想、香りからのスピリチュアルなメッセージなど、多角的にエッセンシャルオイルの個性を理解します。

 

 

③香りと向き合い、自分らしさに目覚める

香りから得たイメージをスケッチブックに描く「香りのイメージング」。心地よい、苦手と感じる香りにはそれぞれ意味があり、それを知ることで本当の自分に開いていきます。

 

 

④トリートメントの本質を追求する

アロマトリートメントによるタッチングで、心身ともに癒されクリアになることで、本来の健康を取り戻します。施術者自身の心と身体の軸を整える手段としても有効です。

 

 

こうしたアロマセラピーを世の中に広げていきたいと考えています。現在、協会員は26名(2018年10月現在)ですが、今後は1年に12名ずつ増えていく予定でいます。

 

 

 

――協会員になりたいという人が、誰でもなれるというわけではないのですね。

 

この協会が目指すアロマセラピーに賛同してくださる方と活動を共にしたいと思っているので、基本的には【Awakening】から【Holistic】に進まれた方が協会員の資格を得られるようになっています。

【Awakening】では、香りを通じて自分自身と向き合うということをひたすら追求します。そのうえで、本当に「セラピストとしてやっていきたい」「アロマの仕事をしていきたい」という方を対象に、【Holistic】を用意しています。このコースは6カ月かけて学びを深めていくのですが、1回の定員は少人数で深く学んでいくため6名と決めています。そのため、1年間で12名ずつ、協会員として活動できる資格を持つ方がこれから誕生していくということになります。

 

 

ただ、このコースを終えたから、必ずセラピストにならなくてはいけないというわけではありません。私たちの協会では、アロマの香りを介して、自分と向き合う場を作っていきたいと考えています。そのため【Holistic】を卒業した後、希望者を対象にファシリテーター養成も行っています。一般的にはインストラクターやティーチャーというライセンスになるかもしれませんが、私たちは「香りを体験する場」を広めたいので、その場をホールドできるファシリテーターを育てていきたいと考えています。

 

 

 

――なぜ、ファシリテーターを養成されているのでしょうか?

 

ヨガスクールをイメージしていただくと分かりやすいと思うのですが、ヨガスクールに通う生徒さんたちというのは、はじめは自分自身を整えたくて、通い始めると思うんです。続けていくうちに、自分が整うのを実感して、「私もヨガを伝えたい」と目覚めた人は、ヨガを教えるための学習を始めるでしょう。でも、みんながそうとは限りませんよね。「ヨガって気持ちいい!」という思いだけで、クラスに通い続ける方も、多いと思うんです。

 

 

ところが、アロマの場合は、自分のためにアロマを取り入れたいと思ってスクールに行ったのに、最初からテキストを渡されたり、資格取得を勧められたりして、いきなり学習になってしまうのです。そして、アロマの香りを用いた体験が圧倒的に少ないのに、「学んだのだから、アロマの仕事をしなきゃ」という強迫観念に似た思いで、インストラクターやセラピストに転職してしまったり……。

 

 

その結果、本当の自分の思いと現実の間に溝ができてしまい、苦しんでいる人たちをこれまでさんざん見てきました。よくよく自分と向き合ってみたら「私は別にアロマを仕事にしたかったわけではなかった…」と。

だからこそ、アロマを純粋に体験できる場を作りたかったですし、この協会では、そうした場を広げていくファシリテーターさんを育てていきたいと考えているのです。

 

 

 

――そのためにこちらの協会では、ファシリテーターさんが提供する1回ごとのワークショップ型レッスンとして、【セルフセラピークラス】も用意されているのですね。

 

単発で参加できる【セルフセラピークラス】は、『イメージング・ワーク』『ブレンディング・アート』『ホリスティック・ケア』と3つあります。

『イメージング・ワーク』は、香りをかいで思い浮かんだイメージをイラストや言葉で自由に描き出しながら自分と向き合い、本当に望んでいることを明らかにしていきます。

『ブレンディング・アート』は、香りのテーマを決め、自分だけのフレグランスを創ります。香りを選んでブレンディングしながら、自己の内側を深く見つめることができます。

『ホリスティック・ケア』では、「アロマセラピーの真髄」と言われるアロマトリートメントを行っています。相モデルとなるので、施術する側と受ける側と、両方を体験できます。

 

 

 

――これらは初心者も現役セラピストも、誰でも受講できるのでしょうか?

 

どなたでも受講いただけます。いずれも1回1~2時間程度で、料金は3000~5000円。香りを体感していただき、その場で作ったアロマクラフトをお持ち帰りいただくので、ご自宅でもアロマをお楽しみいただけます。

そこから、もう少しアロマを知りたいという方には、10時間かけてホリスティックアロマについて学ぶ『Essence of Heal® アロマセラピー基礎講座』もご用意しています。

 

 

さまざまなアロマ体験を経て初めて、「セラピストになりたい」「アロマを仕事にしたい」という思いが自然と芽生えてくると思うのです。そうなってようやく、アロマの勉強を楽しいと感じられるのではないでしょうか。そのような思いを抱いた方々は、『基礎講座』修了後、先述の【Awakening】や【Holistic】で学びを深め、香りの本質をさらに追及されていきます。

 

 

 

 

 

共通のアロマの在り方を目指し

ともに学び続ける仲間とともに

 

 

――「香りを体感する場を作る」「ファシリテーターを養成する」ということのほかに、協会として力を入れていることはありますか?

 

1つは月1、2回、定期的に行っている「勉強会」です。協会員同士でテーマを決めたり、外部講師の先生をお呼びしたりして行っています。こうした勉強会のメリットは、協会員としてアロマセラピーに対して同じ考えを持つ人たちが、安心して疑問や悩みをシェアできることだと思っています。

勉強会では新たな知識を学ぶだけでなく、そこで自分の考えをアウトプットすることにより、「私もそう思う」「あ、理解できる。でも、私はこうかな」「あ、それわかる」など、お互いを理解し合う場にもなります。お互いを理解し、認め合うからこそ、それぞれの中に「自分は自分でいいんだ。自分のやり方でいいんだ」という自信が生まれてくるのです。

 

 

そのため、勉強会では「何が正解か?」ということに、あまり重きを置いていません。実際のセラピーの現場では、クライアントの心身が良い方向に向かえば、その方法が正解なわけです。そしてその正解は、そのセラピストにしかわかりません。

ですから、外に向かって「これは正解ですか、不正解ですか?」と尋ねるのではなく、自分自身に問いかけ、自分で答えを見出せるようになっていってもらいたい。そのためにも、自分自身のアロマ体験を増やすことが必要になります。その機会の1つとしても、協会員の皆さんには、毎月の勉強会をご活用いただけたらと思っています。

 

 

2つめは、協会独自の「エッセンシャルオイルの販売」です。日本国内の農家さんでも、エッセンシャルオイルを作っているところはたくさんあります。そうした現場に出向き、実際に自分の目で確かめて、良いものはEssence of Healのオイルとして販売させていただくということを考えています。さらに大きな夢としては、エッセンシャルオイルを作っている世界中の農家さんを訪れて、自分たちで契約し、よいエッセンシャルオイルを直接引いてきて、それを多くの方々とシェアしていきたいと考えています。

 

 

 

――仲間とともに夢を持ち、学び続けていくことは、セラピスト自身の内面を深く、豊かにしていくことにもつながりますね。

 

セラピスト自身がアロマの体験をどれだけしてきて、どこまで自分を癒してきているかによって、クライアントに寄り添える深さというものも変わってくると思うのです。現在は情報があふれ、多くのことがインスタントに簡単にできてしまいますが、セラピーというのは、そういうものではないと思っています。

 

 

私たちの協会のコンセプトは「自然にかえる 自分にかえる」。自然療法とは、一切のコントロールを手放し、自然の流れに自分を戻してあげることだともいえます。それを実現させていくために、これからも地道にアロマを体験できる場、香りを介して自分自身と向き合える場をつくり、自然のエネルギーをたくさん備えているアロマセラピーの魅力を世の中に広げていきたいと考えています。

 

 

ご不明点などございましたら、お気軽にお問い合わせください。Essence of Healのアロマセラピーに対する考えに共感いただける方とともに、大切にこの協会を育てていきたいと思っています。